なぜコロンビアコーヒーは地域によって味に違いがあるの?

魅力的な生産地を巡りたくなるような答えがここにあります。

「なぜコロンビアコーヒーは、生産地ごとに味の違いがあるのだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?その答えを知れば、個性豊かなコロンビアコーヒーの生産地を巡りたくなることでしょう。

赤道直下の国、エクアドルに隣接する私たちの国は、年間を通して豊富な日射量に恵まれています。また、地理的、気候的にもコロンビアはコーヒー生産に絶好の条件を備えていることから、類まれなるコーヒー生産国と言われています。加えて、地域ごとに独自の栽培方法を発展させてコーヒー作りに励むカフェテロたちの存在も欠かせません。

ナリーニョ シングルオリジンコーヒー

例えばナリーニョ産のコーヒーをひと口味わえば、その豆が、深い谷に刻まれた山々で育てられたことが思い起こされるでしょう。高地による寒さのおかげでじっくりと熟成し、甘みの強い豆で淹れるコーヒーは、その口に広がるまろやかさ、際立つ香り、ミディアムボディ、柑橘類のようなフルーティーな酸味が楽しめます。

これらはすべて、標高の高い地域で栽培されるコーヒーの主な特徴です。赤道付近では太陽の日差しがほぼ一日中、真上から降り注がれます。降り注がれた太陽光は集まって斜面を覆う「熱のマント」になり、夜間、作物をだめにしてしまうほどの冷えからコーヒー豆を守ります。

なぜコロンビアコーヒーは地域によって味に違いがあるの?(ナリーニョ)
北緯1度というほぼ赤道直下にありながら、最大標高2,300mと標高の高いナリーニョ。


また、コロンビア中西部に位置するトリマでは、コーヒー栽培は、霧が発生する高温多湿のわずかな台地で行われています。この地域で作られるコーヒーを飲むと、まるで、挽きたてのような香りに始まり、最後の一口まで、甘みの中を散歩していくようなまろやかさ、バランスのとれた味を楽しむことができます。

カウカのように高地にある地域は、火山性の土壌、コロンビアの大地を潤す主要な5つの川を有することによって、評判の高いコーヒーが生産される最上な舞台となっています。その味は、まろかやで、酸味があり、フルーティーな香り、強い甘みは、もぎたてのフルーツを思わせるようです。この地域では、先住民族やアフリカ系コロンビア人、メスティーソなど、多様なルーツをもつ人々がコーヒー生産に携わっています。年に2回の収穫期(第一期は3月〜6月、第二期は4月〜5月)に向けて作業しています。


ウィラ シングルオリジンコーヒー

ウィラは、コロンビアの主要なコーヒー生産地です。コロンビアコーヒーを代表するウィラ産のコーヒーを飲めば、その美味しさが、この地域特有の「雲のマント」によるものであることに、気づくかも知れません。雲がマントのように斜面を覆い、強い日差しからコーヒー豆を守ることで、バランスのとれた甘み、際立つ香りを含むコーヒー豆へと熟成します。また、ウィラのコーヒー生産者たちは、「カップ・オブ・エクセレンス」の12大会のうち5回入選し、実力を認められているコーヒー生産のエキスパートとして、切磋琢磨して、高品質のコーヒーの生産に励んでいます。

なぜコロンビアコーヒーは地域によって味に違いがあるの?(ウィラ)
曇りが多い気候がコーヒーの木にとっては最適な、ウィラ


アンティオキアは、渓谷のある山脈があり、温暖な気候の地域です。ここで生産されるコーヒーは、フルーティーでハーブのようなくっきりとした香りが特徴です。その一杯に、コーヒー生産者たちのやさしさ、ホスピタリティ、コーヒー生産への献身的な姿勢を感じることでしょう。


SANTANDER(サンタンデール)シングルオリジンコーヒー

ところで、サンタンデール産のコーヒーを飲むことは、カフェテロの起源を味わうことだということをご存知でしょうか。というのも、その昔、コロンビアで最初にコーヒーが伝えられたのが、このサンタンデールの地でした。後に国の大切な産業となるこの宝は、高温から苗木を守るために、原生林の木陰で育てられました。カフェテロたちの勤勉さと誠実さが、結果的にバランスのとれた、ハーブのような香りが際立つコーヒーを作り出しているのです。

なぜコロンビアコーヒーは地域によって味に違いがあるの?(サンタンデール)
コロンビアで初めにコーヒー生産が始まった土地、サンタンデール。原生林の木陰が、日差しからコーヒーを守る。


コロンビアコーヒーを語るうえで欠かせないのが、「コーヒー産地の文化的景観」です。これは、強いコク、際立つ香りと酸味、ミディアムボディという特徴のあるコーヒーを栽培するCaldas(カルダス)やQuindio(キンディオ)、Risaralda(リサラルダ)といった山間部のコーヒー栽培の文化に敬意を払い、人類の財産であるとして世界遺産に認定されました。

SIERRA NEVADA(シエラネバダ)
SIERRA NEVADA(シエラネバダ)

海岸に面した山脈としては世界で最も標高が高いシエラネバダ地域では、先祖代々の土地を受け継ぐ先住民族によって、コーヒーが栽培されています。この地のコーヒー生産者たちは、霊的な儀式を執り行うことで、エネルギーに満ちた母なる大地への信仰を表す独自の栽培方法を守り、他にはない、ヘーゼルナッツの風味とチョコレートのような後味が特徴のコーヒーを生産しています。


コロンビアの人々、先住民族や多くのアフリカ系コロンビア人たちの粘り強さや逞しさといった性格は、彼らの住む魅力的な渓谷、カウカ川が流れるコロンビア西部から中央部の山岳地帯に由来することは、よく知られています。そこでは、人種や民族を超え、コクのあるコーヒー作りのため栽培方法や文化を共有し、一致団結した人々によって、若草のような絶妙なニュアンスが混ざり合い、際立つ香りが特徴をもつ素晴らしい一杯が生み出されているのです。

今日、フアン・バルデスの店舗がある都市では、生産者が丹精込めて生産してきたコーヒーにより正当な利益を得られるように、コーヒー生産地のごとのオリジナルコーヒーが販売されています。店を訪れる人々は、地域ごとに個性の豊かなコーヒーを作り出すための生産環境やその文化にふれることができるでしょう。

この記事を読んでいるうちに、段々コーヒーが飲みたくなってきませんか。あなたのお気に入りの一杯を、試して、比べて、見つけて下さい。

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